筋ジストロフィー臨床試験ネットワーク

ミッション

 

理念

立場の違う人たちの協働で目標に向かう

筋ジストロフィーをはじめ、筋疾患全般の医療の向上を目指し、治験・臨床研究の多施設共同研究を推進する

ミッション

筋ジストロフィーなどの神経筋疾患を対象とした臨床開発に、我が国の学術研究機関が積極的に参画し効率的に実施することによって当該疾患の克服を目指すために必要な体制整備を行う

運営委員長からのご挨拶

2008年10月、国立精神・神経センター(当時)では病院と2つの研究所(神経研究所・精神保健研究所)を双方向性に橋渡しし臨床研究を進めるために、 トランスレーショナル・メディカルセンター(TMC)が設立されました。

その後、新病院に加え、治験・臨床研究を行うためのクラスター病棟とともに、クラスター研究棟とTMC棟が建設され、2010年4月国立精神・神経センターが独立行政法人国立精神・神経医療研究センター(NCNP)となったことを契機として、TMCは本格的な活動を開始しました。

TMCの事業の内容としては、NCNPの最大の財産のひとつとも言えるバイオリソースの管理とその利活用ならびに臨床試験の推進にあります。NCNPでは、難治性の神経・筋疾患と国民の5大疾病のひとつである精神疾患を主な対象にして診療および研究を進めてきました。

とりわけ、前身の国立精神・神経センターの時代から、NCNPは難治性の筋疾患の代表である筋ジストロフィーについて長い研究と診療の歴史があり、筋ジストロフィー研究班の活動も活発であり、患者さんも多数、通院されています。特に、近年は筋ジストロフィーの中でも、 最も患者数の多いデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)について、神経研究所を中心として新しい治療法の開発が進められてきたことも特筆されます。

これらの疾患について新たな治療法を開発し、患者さんに届けるためには、まず、患者さんの登録制度を作ってどのような患者さんがどこにいて、どのような病状の経過をたどるのかを把握する必要があります。

そのため、2009年からDMDの患者登録が整備され (神経・筋疾患患者登録センター Remudy)、登録された患者さんの数は1600名(2017年2月現在)に達しています。

さらに臨床試験のできる医療機関を全国に整備した上で、それらの機関をネットワーク化することが必要です。 すでに小牧宏文先生の手によって、全国の病院と連携して筋ジストロフィーに対する臨床試験を行うための「筋ジストロフィー臨床試験ネットワーク」が運営を継続していることは、大変喜ばしく、TMCとしても最大限の援助を惜しまないつもりです。

さっそく、センター内外から生まれたシーズ(種)を基にして、臨床試験が進行中です。新しい治療法が患者さんのもとに有効な治療法として届けられ、その効果を見守るとともに、新たなシーズを発掘し、モデル動物を用いた前臨床試験や安全性確認のための試験を行い、より多くの臨床試験が開始できるよう支援を続けたいと思います。

2017年3月
筋ジストロフィー臨床試験ネットワーク運営委員長
和田 圭司

事務局代表からのご挨拶

私たちは筋ジストロフィーなどの神経筋疾患を対象とした、疾患に特化した臨床試験ネットワークを2012年12月に設立しました。臨床試験(治験)ネットワークは日本でも数多く存在しますが、疾患を特定したものは少なく、特に希少疾病を対象としたものは、私たちが知る限り本邦初の試みです。

なぜ筋ジストロフィーを対象にしたのでしょうか?理由はいくつかあります。1980年代後半にデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の原因がジストロフィン遺伝子変異であることが示されて以来、筋ジストロフィーの病態解明が進み、それと並行して治療に関わる研究も大きく進展してきました。一方、筋ジストロフィーにはこれまで40年以上にわたって培われてきた医師を中心とする医療関係者や病院の間で連携した医療の向上に対する取り組みの歴史が存在します。そのような基礎研究と臨床研究の進歩が融合した結果、これまで夢であった筋ジストロフィーの臨床試験を本格的に行っていく時代となっています。

筋ジストロフィーのような希少疾病では、臨床試験を行うには多くの困難な点が存在します。全国にどのような患者さんがどれくらい存在するのか、どのような点で患者さんたちは困っておられるのか、それぞれの疾患はどのように進行していくのか、それらをどのようにして把握し、評価していくかなどの課題をひとつひとつ克服していく必要があります。私たちはこのネットワークに加盟している施設で把握している患者さんの情報を集約し、毎年更新することで、臨床試験をより効率的に進めていくことができると考えています。Remudy(http://www.remudy.jp/)などの患者登録制度と連携して臨床試験への患者さんの組み入れの効率化を図ることも可能です。

これまでに臨床試験に関わることの少なかった理学療法士などのリハビリテーションのスタッフにも参加していただき、標準化された運動機能評価を行うことも検討しています。

加盟している施設がICH-GCPに準拠した臨床試験を行うことができる体制を作っていくことも、ネットワーク事務局としてさまざまな点から支援していきたいと考えています。

このホームページは色々なお立場の方がご覧になると思いますが、皆様のご理解、ご支援をいただきつつ本ネットワークの活動をすすめていきたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

2017年3月
筋ジストロフィー臨床試験ネットワーク事務局代表
小牧宏文